属性ベース暗号


暗号文に復号ポリシーを設定できる暗号方式で、復号者の属性が復号ポリシーを満たす場合のみ復号できます。
復号者の属性情報から作られる復号鍵は、ABCryptDocsサーバで生成されABCryptDocsサーバ内だけで利用されるので、各ユーザに配布する必要はありません。

復号ポリシー


誰が復号できるかという条件のことです。所属や役職、氏名などのユーザの属性を用いて復号条件を指定します。

A社を例にして、復号ポリシーの指定方法を説明します。
【組織図】


【所属表】
名称 役職 所属
佐藤 博 社長
山田 太郎 部長 営業部
高橋 幸子 部長 総務部
鈴木 茂 部長 開発1部
田中 進 部長 開発2部
渡辺 実 営業部
伊藤 修 総務部
山本 和子 開発1部
中村 洋子 開発2部
※実際の属性情報は、自由に設定する事が可能です。

『営業部 部会議事録』を、営業部員に対してのみ公開する場合を考えてみます。

『営業部 部会議事録』に指定する復号ポリシーとして、「営業部」という属性を指定します。

「山田 太郎」や「渡辺 実」という個人を指定しなくても、「営業部」という属性を指定することで、属性を持っている個人に参照権限が与えられます。
この方法の優れたところは、「渡辺 実」が営業部から移動になった場合、「渡辺 実」の所属属性から「営業部」を削除するだけで、渡辺 実さんは『営業部 部会議事録』を参照できなくなりますし、 営業部員が増えた場合には、新たな営業部員に「営業部」という所属属性を与えるだけで、『営業部 部会議事録』が参照可能になります。
従来のパスワードベースの情報共有では、考えられない容易さです。

柔軟な復号ポリシー


復号ポリシーには、”かつ”や”または”といった論理的な条件を指定して、複数の属性を関連付けて柔軟に指定する事が可能です。

例外属性


管理者が知らないところで、不正なファイルのやり取りを行われた場合、当事者のみに復号権限が与えられていると、やり取りされている情報の内容を把握する事ができなくなります。
これは暗号化による秘密性が、不正に利用された時に問題となる事例です。
ABCryptDocsでは、このような緊急時の対応策として、管理者に特殊な復号機能を用意しています。
マスターキーを使うように、すべてのリソースを復号可能となっているため、管理者によるより安全な運用が可能となっています。

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