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既存の古典コンピュータ、量子コンピュータのそれぞれの特性を組み合わせた数値計算の提案を行っています。
多質点系の強制振動(用語1)の動的シミュレーションに対して、 運動方程式の離散化の際に現れる線形方程式の求解に、量子アルゴリズムであるHHLアルゴリズム(用語2)を適用しました。 結果として、HHLアルゴリズムでも実用上問題ない精度で解を求めることに成功しました。
用語1 : 強制振動
強制振動とは、毎時刻外部から力が働き、一定の運動をし続けるものをいいます。
例えば、ブランコを背中から押してもらう場合や、水晶振動子を電気で振動させる場合(腕時計のクォーツや、パソコンのクロック発振器)です。
用語2 : HHLアルゴリズム
量子コンピュータは、固有値計算が得意なため、固有値を使って線型方程式を解くアルゴリズム(Harrow-Hassidim-Lloydアルゴリズム。以下、HHLアルゴリズム)に着目しました。
本アルゴリズムは、係数行列がエルミート行列である場合に対して、逆行列計算を効率的に行うことができる量子アルゴリズムです。
疎な連立一次方程式の解法に使用されるため、数値解析や機械学習などあらゆる分野への応用が期待できます。
本ページの内容はInterface誌(CQ出版)の2022年6月号に掲載されました。記事の原文を提供可能です。希望される方は、以下のお問合せフォームよりご連絡下さい。