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火力・原子力発電所立地における取放水口位置の選定や環境影響評価のための海域調査範囲の推定には、冷却水量に応じた温排水拡散範囲の予測が必要となります。 「温排水拡散簡易予測プログラム」は、(財)電力中央研究所で開発され、発電所立地の際の環境アセスメントで実施される温排水拡散数値シミュレーション手法にもとづいて、パソコン上で拡散範囲を容易に予測できるソフトウェアです。 :参考文献 1,2) このプログラムでは、任意の地形、海象、気象、放水条件に対して、差分法による平面2次元数値シミュレーションにより、海域流動、放水流動、温度拡散計算が実行できます。 条件によっては、LNG火力発電所へのリプレース時の環境アセスメントとして活用することも可能です。 :参考文献 3) ![]()
表層放水シミュレーションには、次のような特徴があります。 ・任意の地形に適用 ・海域流動は、流れなし、恒流、潮汐流から選択 ・放水流量、環境水温、放水温度は任意の値を設定 ・入力データや結果ファイルの煩雑な管理をシステムが支援 ・拡散の包絡範囲、拡散面積・到達距離、深度別温度分布などを求めるユーティリティを装備 ・海域流動、放水流動などの流速ベクトル図や、水温上昇範囲の温度コンター図が手軽に描画可能 水中放水シミュレーションには、次のような特徴があります。 ・パイプ、スロットを選択可能 ・設置水深、海底勾配、海域流動の大きさを指定 ・パイプ直径とパイプの本数、あるいはスロットの幅と高さを考慮 ・実験式を用いて簡易的に拡散範囲を計算 ![]()
表層放水シミュレーションの主な入力データは以下の通りです。 ・計算メッシュ幅、地形、防波堤、放水口 ・粘性係数、拡散係数 ・温排水層厚、放水温、環境水温、気温、風速
海岸地形やパラメータ設定などの前処理から、計算実行、結果のグラフィック表示までの一連の操作がどこにでもあるパソコン上で手軽に実行できます。
計算が安定して実行できる緩和係数や時間刻みの調節機能を備え、数値シミュレーションの収束判定は、計算結果をシステムが監視して自動的に行います。
水中放水方式の発電所の場合は、右図のように実験式から算定した拡散範囲を表示できます。 ![]()
本プログラムを実地点に適用した例では、地形・海域条件の異なる複数の地点での適用検討の結果、いずれの地点においても、実測結果をほぼ包含し、 環境アセスメントに用いられる高精度の数値シミュレーション結果と大差のない結果が得られることが検証されています。
:参考文献 1) |
※本プログラムの著作権は、財団法人 電力中央研究所と、株式会社 アーク情報システムに帰属します。
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